差し歯形成にかける想い

現在、エムズデンタルアートでは4人の歯科技工士と事務員一人がそれぞれのパートを受け持ち真剣に製作しています。
全てオーダーメイド製作ですからたくさんはできませんが一人一人がこだわって高品質の技工物製作を目指しています。

セラミックの歯ができるまで

01歯の模型作り

歯科医院でトレーと呼ばれるものに印象材を練って盛り上げ歯列に押し当てて固めて歯型をとります。取った歯型に石膏を流しこみ歯の模型を作ります。歯の模型が出来たら咬合器と言う口の中の動きを再現する装置に装着して作業に移ります。

02画像分析

歯の色や形、歯並び、顔のバランスを見るため口の中や顔の写真を撮ります。撮った写真をパソコンで画像分析して、どこにどんな色が入っているのかその人に合ったレシピを製作します。歯の形、歯茎の色、歯の色の濃さや透明感・明るさなどを分析します。

03セラミック築盛

製作したレシピを基にセラミックを調合して歯の色や形を作り上げていきます。築盛したセラミックを専用の窯で高温で焼き付けていきます。焼きあがったセラミックを写真撮影してパソコンに取り込み患者様の歯の色と比較し確認して色を合わせていきます。

04形態修正

大体の形で焼きあがったセラミックを歯の表面のしわや凹凸を隣の歯を模写してエンジンで削って完全コピーしていきます。複数の歯を作る時は顔の写真を見てバランスをとっていきます。歯の質感や艶も考慮しつつ、口の中で同調する様に磨いて行きます。土台との隙間がないか顕微鏡で確認します。磨き終わったらもう一度写真撮影してパソコンに取り込み色の確認をして完成です。

仕上がり比較

クリックで拡大画像がご覧いただけます。

上の前歯の土台の写真です。根の治療が終わったら土台を入れてます。歯の神経を取ってなければ自分の歯を土台にします。右が金属の土台。左がファイバーの土台です。プラスチックの中にファイバー製の支柱を入れた物です。金属の利点は折れにくく強いです。欠点は口の中に入れたとき暗くなります。金属が溶けて歯茎に色が着くことがあります。強さゆえに土台を支える歯が割れる場合があります。ファイバー利点は光を通すので明るいです。適度なしなやかさがあるので歯が割れる前に壊れます。欠点は金属に比べて弱いです。

上の前歯の差し歯の写真です。左が保険の差し歯(金属+プラスチック)。右が自費の差し歯(ジルコニア+セラミック)さらにその右が自費の差し歯(金属+セラミック)です。全て同じ色合いで作っています。保険の差し歯は金属が光を遮断しているので暗いです。自費の差し歯(ジルコニア+セラミック)は光が抜けているので明るく見えます。隣の自費の差し歯(金属+セラミック)は保険の差し歯ほどではないにせよ少し暗く見えます。

歯を失った時に隣の自分の歯を削って橋渡し(ブリッジ)にします。保険治療だと金属で製作します。自費治療だとジルコニアや金属の上にセラミックやハイブリッドレジン(保険治療より硬いプラスチック素材)を使用して製作します。

同じ人の右の歯に保険治療の差し歯と自費治療の差し歯を口のなかに入れてみました。一般的な保険の差し歯(金属+プラスチック)です。保険の差し歯は歯科医院で既製の色見本から近い色の番号を選択し色の指示がきます。セラミックと違い色の調合が出来ないので指示がきた既製の色に合わせるように製作します。

自費の差し歯(ジルコニア+セラミック)です。保険の差し歯と比べて全体的に色が合っている事がわかります。歯の中の白い線や先の透明感も再現されています。この人の場合13色のセラミックを使用しました。人の歯は多彩な色で構築されているのです。

保険適応治療と自費治療について

よくあるご質問

  • Q.保険の差し歯と自費の差し歯の違いはどこですか?

    A.保険の歯の前歯は金属の上に白いプラスチックをくっつけて作るやり方とCAD/CAM冠があります。奥歯は金属(いわゆる銀歯)とCAD/CAM冠があります。自費は金属の上やジルコニアの上にセラミックを焼き付けて製作します。二ケイ酸リチウムという白い材料の上にセラミックを焼き付けて作る方法もあります。

  • Q.CAD/CAM冠って?

    A.CAD/CAM冠(キャドキャムカン)とは金属を使わない白い被せ物や詰め物の事です。材料はプラスチックですが、保険で使用するプラスチックより硬いハイブリッドレジンと呼ばれる物です。模型をスキャンしたデータをパソコン上で歯の形にしてプラスチックのブロックを機械で削りだします。欠点はプラスチックなので割れたり色がついたりします。金属に比べて歯を削る量が多いです。機械で削り出すので適合が弱く外れることがあります。利点は金属を使わないので明るく仕上げる事ができます。金属アレルギーの心配がないです。

  • Q.仮歯のままではだめですか?

    A.仮歯はあくまでも仮りの歯です。最終の差し歯が入るまで仮歯で過ごして頂きますがこれでいいと言う患者様がおられます。仮歯の材料は荒目のプラスチックなのですぐに色が着きます。臭いもつきやすいです。歯への適合も厳密に行ってませんので虫歯になりやすいです。

  • Q.とにかく金属を使いたくない。保険でなんとかなりませんか?

    A.CAD/CAM冠です。厳密に色を合わせる事が難しいですが、金属を使わないので明るく仕上げる事が出来ます。歯が無い所の隣の歯を削って橋渡しにするブリッジや大臼歯の一番奥の歯には適用してません。

  • Q.自費の差歯の色は変わらない?

    A.変わりません。しかし、人が年を取るように歯も年をとります。今現在色が合っていたとしても自然の歯の色は年とともに変わっていきます。以前は色が合っていたのに自費の差し歯だけ白くて気になるのでやり替えて欲しいという患者様もよくおられます。